入院のご案内
原則として、当施設5階の小児医療センターに入院していただいて治療を行っています。小児医療センター内は4つのゾーンに分かれており、小児がん治療を受ける患者さまと、感染症などそれ以外の疾患で入院された患者さまが直接接触しないようにして、感染に対して抵抗力が落ちてしまった小児がん患者さまでも安心して治療がうけていただけるよう、工夫されています。
院内で行われているボランティア活動のご紹介
長い間入院して治療をうけているこどもたちは、いつも同じ環境で過ごさなければいけないことから、どうしても毎日が退屈になってしまいます。入院中であっても、歌を歌ったり、楽しく遊んだり、といった活動は、子どもの成長にとって非常に大切であると考えています。
当施設では、こどもたちやご家族が楽しく入院生活を送っていただけるように、さまざまな団体のご協力のもと、レクレーションプログラムを行っております。
- ウィズ・キッズ・スマイル(京都YMCA)
- 初夏のこどもコンサート(京都YMCA)
- 夏祭り(京都YMCA、南観音山保存会)
- クリニクラウンの病棟訪問(日本クリニクラウン協会)
- 移動図書「きらりん文庫」(かがやく未来)
- 読み語りボランティア「おはなしバスケット」(かがやく未来)
- フレフレ!こどもたち(京都府立医科大学小児医療センターで実施したイベント等ご紹介)
院内学級のご紹介
京都市立桃陽総合支援学校府立医大病院分教室(院内学級)は、平成17年4月に開設されました。長期にわたって入院生活を余儀なくされるこどもたちにも、病状に応じて安心して学べる学校として、当施設にはなくてはならない存在となっています。小児医療センター横の分教室まで登校したり、ベッドサイド学習をしたり、病状に応じて学習方法も対応しています。また、前籍校との連携を密に行うことで退院後もスムーズに学習内容が移行できるようにしております。
さらに、タブレットPCやTV会議システムを用いて、本教室と分教室をネットワーク接続することにより、理科実験など分教室では出来なかった授業や、生徒同士の交流などが図れるようにしていただいております。
患者会・家族会
宿泊施設について
急な入院や、状態の変化、手術などのために、ご家族が病院近辺で待機しなければいけない場合、病院内の家族控え室を利用していただけますが、控え室の数や人数に制限がございます。
病院近辺には、入院患者さまのご家族が利用されている宿泊施設があり、ご紹介していただいております
宿泊施設
京都ファミリーハウス
施設 | 全6施設、12室 「TOMMY」5室、「うらら」1室、「アンカー」1室、「さくら」1室、「パイン」5室 |
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料金 | 大人1日 1,500円、1人増すごとにプラス1,000円、幼児(未就学児)は無料。 |
期間 | 最長1ヶ月(それ以上は要相談) |
長期療養児家庭支援事業(京都府内在住の長期療養児の付添家族1名に対する補助)
施設 | 全5施設(旅館、ホテル) 「KKR くに荘」「御所西京都平安ホテル」「ルビノ京都堀川」「京都教育文化センター」「ザ・パレスサイドホテル」 |
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料金 | 1泊 2,000円引き(1,600円〜5,500円) |
情報や値段は変更される場合もございますので、詳細はリンク先よりご確認頂けますようお願いいたします。
小児がん患者さまに対する緩和ケア
緩和ケアとは?
小児がんと診断されたときから、小児がん患者さまは多くの苦痛、悩みを抱えることになってしまいます。身体の痛みやだるさ、辛さといった身体的な苦痛はもちろん、病気に対する不安、検査や治療に対する不安も計り知れないものです。
小児がんという、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者さまとそのご家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確な判断と治療、処置を行うことによって、苦しみを予防し、和らげることで、生活の質、治療の質を向上させることを緩和ケアと呼びます。
以前は、緩和ケアは「治療不能な末期がん患者様に対する苦痛の軽減」という考えで捉えられていました。しかし、最近では、小児がん患者さまやそのご家族の生活の質、治療の質を向上させるために、小児がんと診断されたその時点から、緩和ケアを取り入れた治療が提供されるべきであると考えられています。
小児緩和ケアチームについて
当施設では、小児科、小児外科、麻酔科、疼痛緩和医療学講座、精神神経科、放射線科医師と、専門看護師、薬剤師、社会福祉士、臨床心理士、保育士、管理栄養士などからなる小児緩和ケアチームを設置しています。小児緩和ケアチームと患者さまの担当主治医や看護師で定期的にカンファレンスを開催し、治療の早期から、安心かつ不安のない治療を受けていただけるようにしております。
- 小児科医師
- 小児外科医師
- 麻酔科医師
- 疼痛緩和医療学講座医師
- 精神神経科医師(リエゾン)
- 放射線科医師
- 看護士
- がん性疼痛看護認定看護師
- 小児看護専門看護師
- その他必要に応じて参加(がん専門看護師、がん化学療法認定看護師、緩和ケア認定看護師、母性看護専門看護師)
- 薬剤師
- 社会福祉士
- 臨床心理士
- 保育士
- 管理栄養士
小児緩和ケア外来について
退院前には、小児緩和ケアチームならびに担当主治医、看護師とのカンファレンスにより、退院後の自宅での緩和ケア、リハビリなどの必要な療養を検討し、地域連携窓口、社会福祉士を通じて、かかりつけ医の協力・連携を得て、安心した自宅での生活をサポートしていきます。
さらに小児緩和ケア外来(毎週水曜日午後、木曜日午後)において、退院後の小児がん患者さまやそのご家族の身体的・心理的サポート、栄養管理、薬剤についての服用指導、社会的サポートなど、全人的ケアを行えるようにしております。小児緩和ケア外来では、地域連携室を通じて、地域の小児がん患者さまの緩和ケアの相談にも応じています。