外来診察

診療日時

火曜日午前(予約制)

特徴

川崎病は感染免疫、血管炎、虚血性心疾患などの領域にわたる疾患で、独立して扱う必要があります。このため専門外来を設けて診療にあたっています。巨大瘤を併発した乳幼児例から、学童期~成人期の遠隔期症例まで、幅広い層の患者様を対象としています。

遠隔期川崎病について

急性期に比較的小さな動脈瘤であっても、退縮後に狭窄が出現する場合や、血管内皮機能の異常が確認される場合があります。したがって、川崎病遠隔期では長期にわたった観察が重要であり、なかでも思春期以降の患者教育が極めて重要であると考えています。

現在、早発動脈硬化の検出を目的として、思春期以降の患者様に対して以下の検査を積極的に行っています。

  1. FMD(flow-mediated dilatation, 血管内皮機能検査)

  2. 脂質異常検査:総コレステロール、LDL-C、HDL-C、トリグリセリド

  3. イコサペント酸(EPA)とアラキドン酸(AA)の比(EPA/AA比):EPAは動脈硬化を抑制する方向に働きますが、AAは炎症を引き起こし、動脈硬化を促進するように働きます。 動脈硬化性疾患患者では、EPA/AA比が低いことが報告されています。

  4. 内皮機能障害関連バイオマーカー(酸化ストレス、高感度CRP)。

対象疾患

川崎病

診療メンバー

学内講師 池田和幸
特定専攻医 岡本亜希子

入院診療

急性期川崎病について、免疫膠原病グループと協力して、約10~20%の割合で存在するガンマグロブリン不応例の治療にあたっています。当科ではシクロスポリンを用いた3rd line治療を行っており、良好な治療成績が得られています。  さらに、約3~9%の割合で発生する冠動脈病変に対する抗血栓療法の確立、心臓カテーテル検査による冠動脈瘤の評価を行っています。