外来診察

発達フォローアップ

NICUを退院した児や他施設から紹介いただいた児の発達・発育のフォローアップを行っています。定期的な診察において発達・発育に問題を抱えている、もしくはその可能性が高い場合や、染色体疾患を有する児には、早期発見と育児支援を目的として、京都府下の療育施設と連携をとって診療にあたっています。また、当科の小児神経や小児代謝内分泌、小児循環器、小児腎臓、アレルギーなどの専門医、小児外科などの関連する他科とも連携しながら診療を行っています。出生体重1500g未満の極低出生体重児やその他のハイリスク児については、3歳、5-6歳、9歳、そのほか適宜発達検査を行い、児の特性を知ることによって発達支援につなげています。

在宅医療支援

超早産児や先天性疾患を有する新生児では、退院に際して医療的ケアが必要となる場合があります。経管栄養(胃瘻を含む)、気管切開、在宅酸素療法、在宅呼吸器管理などの医療的ケアが必要な児・その家族に対して、当院地域医療連携室や地域の小児科医師、訪問看護ステーション、保健センターなどの行政機関などと共に、NICUからの退院支援、退院後の在宅支援を行っています。

診療メンバー

学内講師 長谷川龍志
助教 橋口加名栄
助教 瑞木 匡
助教 森元英周

入院診療

新生児集中治療室(NICU)について

2019年度にNICU増床工事を行い、NICU 9床(うち個室2床)、GCU 12床の計21床で診療しています。京都府周産期サブセンターとして、出生体重1000g未満の児を含む早産児、一刻を争うハイリスク児や染色体異常が疑われる児などに対応すべく、NICU専任医師5名、数名の専攻医・研修医、看護師40名(新生児集中ケア認定看護師1名を含む)が24時間体制で日々の診療にあたっています。
周産期(新生児)専門医の基幹研修施設であり、呼吸・循環、脳保護、栄養など最新の治療法を学び、将来、児の健やかな発達・発育を目指し、急性期より治療方針について日々検討しています。

また、胎児発育遅滞、先天性心疾患、消化管疾患、水頭症等の中枢神経系疾患、染色体疾患などが胎児期に診断される場合が少なくありません。当院では、産科による母体、胎児の管理に加え、出生前からNICUスタッフと関連各診療科で合同カンファレンス、出生前面談を行い、出生後迅速に治療を開始しています。外科的治療を要する児については、周術期管理をNICUで行っています。

児にとっての最善の治療は集中治療だけではなく、ディベロップメンタルケア、カンガルーケアといった母児両方の「心のケア」に取り組んでいます。ポジショニングについては理学療法士が看護スタッフと共に観察・介入を行い、赤ちゃんの安静保持を図る様にしています。赤ちゃんの状態が良ければ呼吸器をつけていても「カンガルーケア」を積極的に取り入れ、母子愛着形成にも務めています。

入院臨床の実績について

在胎週数別入院患者数(2020年度)
出生体重別入院患者数(2020年度)
*2020年度6∼3月からの実績(NICU増床工事・新型コロナウイルスのため)
他科との連携を要した疾患症例数(2020年度 重複あり)
入院数(名)
先天性心疾患(PDAを除く) 33
動脈管開存症(結紮術) 5
小児外科疾患 24
脳神経外科疾患 7
泌尿器科疾患 1
形成外科・歯科疾患 5

連携科: 小児心臓血管外科、小児外科、脳神経外科、泌尿器科、耳鼻咽喉科、整形外科、形成外科 など

所属学会

  • 日本小児科学会
  • 日本周産期・新生児医学会
  • 日本新生児成育医学会
  • 日本小児循環器学会
  • 日本小児神経学会
  • 日本てんかん学会

学会認定施設

  • 日本周産期・新生児医学会研修施設 基幹研修施設